採用市場の変化
こんにちは。制作部です。
今回は、私たちが日々携わっている制作物の中から「求人広告」についてお話しします。
求人広告というと、仕事内容や給与、勤務時間、休日などの募集条件を掲載するもの、というイメージを持たれる方も多いのではないでしょうか。
もちろん、それらは求職者にとって欠かせない情報です。
しかし、条件を掲載するだけで応募につながるとは限りません。
同じような仕事内容、同じような給与条件の求人が並んでいる中で、求職者は複数の求人を比較しながら応募先を選んでいます。
- 「どんな仕事をするのか」
- 「自分にもできそうか」
- 「どんな人たちと働くのか」
- 「職場の雰囲気はどうなのか」
- 「長く働けそうか」
給与や休日だけでは分からない部分まで確認し、自分に合う会社かどうかを判断しています。
そのため、求人広告を作る側にも「募集条件を掲載する」だけではなく、会社や仕事の魅力を分かりやすく伝える工夫が求められます。
私たち制作部でも、求人広告を制作する際には「会社が伝えたいこと」だけではなく、「求職者が知りたいこと」を意識しています。
今回は、応募につながりやすい求人広告と、魅力が十分に伝わらない求人広告にはどのような違いがあるのか、制作部の視点からご紹介します。
求職者が見ていること

給与だけで応募先を決めているわけではない
求人広告の中で、給与は非常に重要な情報です。
仕事を探すうえで、
- 月給はいくらなのか。
- 昇給はあるのか。
- 賞与はあるのか。
- どのような手当があるのか。
こうした待遇面を確認するのは当然のことです。
しかし、求職者が見ているのは給与だけではありません。
例えば、
- 「残業はどのくらいあるのか」
- 「休みは取りやすいのか」
- 「未経験でも応募できるのか」
- 「研修やサポートはあるのか」
- 「どんな年代の人が働いているのか」
- 「職場はどんな雰囲気なのか」
- 「入社後はどのような仕事から始めるのか」
など、実際に働く自分を想像するための情報も確認しています。
求人広告を見る人にとって、応募は大きな決断です。
今働いている会社を退職して転職する人もいます。
未経験の仕事に挑戦する人もいます。
久しぶりに仕事へ復帰する人もいます。
だからこそ、できるだけ多くの不安を解消してから応募したいと考えるのは自然なことです。
企業側にとって当たり前のことでも、求職者には分からないことがたくさんあります。
そこをどれだけ丁寧に伝えられるかが、求人広告では重要になります。

「自分でも働けそう」と思える情報
特に私たちが大切だと感じているのが、
「自分がそこで働いている姿を想像できるか」
という点です。
例えば「未経験歓迎」とだけ書かれている求人があったとします。
企業としては、未経験者にも応募してほしいという意図が十分に伝わっているように感じるかもしれません。
しかし求職者からすると、
- 「本当に未経験でも大丈夫?」
- 「専門知識がなくてもできる?」
- 「入社したら誰が教えてくれる?」
- 「どれくらいで仕事を覚えられる?」
という疑問が残ります。
そこで、
- 「入社後は先輩スタッフに同行するところからスタートします」
- 「最初から一人で業務を任せることはありません」
- 「必要な資格は入社後に取得できます」
など、具体的な情報を加えることで、入社後の働き方をイメージしやすくなります。
経験者を募集する場合も同じです。
単に「経験者優遇」とするだけではなく、
- 「これまでの経験をどのような仕事で活かせるのか」
- 「入社後にどのような役割を期待しているのか」
まで伝えることで、その人にとって働くメリットが見えてきます。
求人広告では、条件を書くことに加えて、求職者の不安や疑問に先回りして答えることが大切です。
写真の重要性

職場の雰囲気は文章だけでは伝わりにくい
求人広告では、文章と同じくらい写真も重要です。
例えば文章で、
- 「明るい職場です」
- 「アットホームな雰囲気です」
- 「スタッフ同士の仲が良い職場です」
と書いてあったとしても、それだけで実際の職場をイメージするのは難しいものです。
一方で、実際に働いているスタッフやオフィス、現場の写真が掲載されていれば、一目で多くの情報を伝えることができます。
- どんな場所で働くのか。
- どんな服装なのか。
- どんな設備があるのか。
- どのような人が働いているのか。
- 職場は明るいのか。
こうした情報は、一枚の写真からでも伝わります。
特に求職者が初めて知る会社の場合、写真は会社の第一印象を決める要素の一つです。
求人内容が魅力的でも、写真が暗かったり、何年も前の写真が掲載されていたりすると、現在の職場環境が伝わりにくくなってしまいます。
反対に、実際の職場の様子が分かる写真が掲載されていると、求人情報全体に具体性が生まれます。
きれいな写真だけが良い写真ではない
求人広告用の写真というと、
「プロのような写真を撮らなければならない」
と思われるかもしれません。
もちろん、明るさや構図、画質などは大切です。
しかし、求人広告では必ずしも完璧に作り込まれた写真だけが良いとは限りません。
私たちが重視しているのは、
「実際の職場が伝わるか」
ということです。
例えば、
- スタッフが仕事をしている様子。
- 社員同士で打ち合わせをしている様子。
- 使用する車両や設備。
- 実際の店舗や事務所。
- 仕事で使用する道具。
こうした写真は、求職者にとって貴重な判断材料になります。
会社側では毎日見ているため特別に感じない光景でも、求職者にとっては初めて見る職場です。
「ここで働くんだ」
とイメージできる写真があるだけでも安心感は変わります。
もちろん、整理されていない場所が写り込んでいたり、暗く見えたりする写真は、実際以上に悪い印象を与える可能性があります。
撮影する際には、
- 何を伝えるための写真なのか。
- どこを見てほしいのか。
- 求職者が見たときにどのような印象を受けるのか。
を考えることも大切です。
写真も求人広告を構成する重要な情報の一つなのです。
魅力の伝え方
「働きやすい会社」だけでは伝わらない
求人広告を制作していると、会社の魅力として、
- 「働きやすい職場です」
- 「風通しの良い会社です」
- 「アットホームな職場です」
- 「スタッフを大切にしています」
といった言葉を目にすることがあります。
どれも魅力的な言葉ですが、これだけでは会社ごとの違いが分かりません。
大切なのは、
「なぜ働きやすいのか」
を具体的に伝えることです。
例えば、
「働きやすい職場です」
ではなく、
- 「完全週休2日制で、土日祝がお休みです」
- 「残業は月平均○時間程度です」
- 「有給休暇について相談しやすい環境です」
など、事実を伝えることで説得力が生まれます。
「未経験でも安心」なら、
- なぜ安心なのか。
- 研修があるのか。
- 先輩が同行するのか。
- マニュアルがあるのか。
- 資格取得支援があるのか。
そこまで伝えることが重要です。
求人広告では、抽象的な魅力を具体的な事実へ置き換えていくことで、その会社ならではの特徴が見えてきます。

当たり前のことが魅力になることもある
営業担当が企業の方にお話を聞いていると、
「うちには特別な魅力なんてないですよ」
と言われることがあるそうです。
しかし、詳しく聞いてみると、
- 定時で帰れる。
- 希望休を相談できる。
- 資格取得費用を会社が負担している。
- 仕事が早く終われば早めに帰れる。
- 社員同士で助け合っている。
- 社用車を一人一台使用できる。
- 直行直帰ができる。
など、求職者にとって魅力的な条件が見つかることがあります。
会社の中では当たり前になっているため、魅力だと気づいていないのです。
求人広告制作では、この「当たり前」を見つけることも重要な仕事だと考えています。
企業側からすると普通の制度や習慣でも、求職者から見れば応募を決める理由になる可能性があります。
そのため営業担当は、求人原稿を作るヒアリングの際に、
「ほかに何かありませんか?」
だけではなく、
- 「一日の仕事はどのように進みますか?」
- 「残業はどのくらいありますか?」
- 「未経験の人には誰が仕事を教えますか?」
- 「どんな人が長く働いていますか?」
- 「お休みの相談はできますか?」
など、具体的に確認することを大切にしてくれています。
質問を変えることで、その会社ならではの魅力が見えてくることがあるからです。
良いことだけを書くのが求人広告ではない
求人広告では魅力を伝えることが重要ですが、良い部分だけを並べればいいわけではありません。
例えば、
- 夜勤がある。
- 長距離運行がある。
- 体力を使う仕事がある。
- 繁忙期がある。
こうした仕事内容に関わる重要な条件を曖昧にしてしまうと、応募後のミスマッチにつながる可能性があります。
応募数を増やすことだけを考えれば、できるだけ良い面を強調したくなるかもしれません。
しかし採用の本当のゴールは「応募してもらうこと」ではありません。
会社と求職者がお互いを理解し、納得したうえで一緒に働くことです。
そのため、仕事の大変な部分についても必要な情報は分かりやすく伝えることが大切です。
それによって、
「思っていた仕事と違った」
という入社後のギャップを減らすことにもつながります。
求人広告は会社を良く見せるためだけの広告ではなく、会社と求職者がお互いを知るための入り口でもあるのです。
求職者目線が重要です

応募につながる求人広告を作るために大切なのは、特別な言葉をたくさん使うことではありません。
- 給与。
- 休日。
- 勤務時間。
- 仕事内容。
- 福利厚生。
こうした基本情報を正確に掲載することはもちろん、そのうえで、
- 「求職者は何を不安に思うだろう」
- 「応募する前に何を知りたいだろう」
- 「この説明で仕事の様子を想像できるだろうか」
と考えることが重要です。
企業側が伝えたい情報と、求職者が知りたい情報は必ずしも同じではありません。
例えば企業側は、
- 「創業○年」
- 「事業拡大中」
- 「地域密着」
といった会社の特徴を伝えたいかもしれません。
一方、求職者が最初に知りたいのは、
- 「自分でもできる仕事なのか」
- 「どのくらい休めるのか」
- 「どんな人と働くのか」
といった、自分自身の働き方に関係する情報かもしれません。
だからこそ求人広告では、企業側の視点だけで文章を作らず、求職者の立場から内容を見直すことが大切です。
また、一度掲載した求人広告をそのままにするのではなく、反響を見ながら改善していくことも必要です。
応募が少なければ、
- タイトルは分かりやすいか。
- 仕事内容は具体的か。
- 給与や休日は見つけやすいか。
- 写真から職場の雰囲気が伝わっているか。
- 会社の魅力を具体的に説明できているか。
といった点を改めて確認します。
求人広告もホームページと同じように、作って終わりではありません。
必要に応じて内容を見直し、より伝わる形へ改善していくことが大切です。
私たち制作部も求人広告を制作する中で、日々「どうすればこの会社の魅力を求職者に正しく伝えられるか」を考えています。
派手な言葉を使うのではなく、実際にある魅力を見つける。
曖昧な表現ではなく、具体的な情報にする。
企業目線だけではなく、求職者の目線でも読み返す。
そして写真や文章を通して、働く姿を想像できる求人広告にする。
こうした一つひとつの積み重ねが、応募へのきっかけになると考えています。
求人広告は、企業から求職者へ送る最初のメッセージです。
だからこそ、条件を並べるだけではなく、
- 「どんな会社なのか」
- 「どんな仕事なのか」
- 「ここで働くとどんな毎日になるのか」
が伝わる内容を目指すことが大切です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回は「制作部が考える『良い写真』の条件」について、制作物や求人広告、ホームページなどで写真がどのような役割を持っているのかをご紹介します。
ぜひ次回もご覧ください。


