「誰の事業を支援するか」で変わる仕事の進め方
こんにちは。マーケティング部です。
ACMEEのマーケティング部では、自社の事業だけでなくクライアントのマーケティング支援も行っています。同じマーケティングでも、立場によって仕事の進め方には違いがあります。
前回のブログでは、マーケティング部がWeb広告運用、SEO、SNS運用、データ分析、WebサイトやLPの改善、セール企画など、幅広い業務を担当していることをご紹介しました。
こうした仕事は、自社の事業でもクライアントの支援でも行います。
ただ、同じ「マーケティング」という仕事であっても、自分たちの会社の事業を成長させる場合と、クライアントの事業を支援する場合とでは、施策を決めるまでの流れや確認することが異なります。
社内事業では、自分たちで日々データを確認し、課題を見つけ、改善案を考えて上長や社長へ直接提案できます。許可が出れば、そのまま実行に移し、結果まで追いかけることができます。
一方、クライアント案件では、まず相手の事業を理解するところから始まります。
- どのような商品やサービスを提供しているのか。
- どのようなお客様に届けたいのか。
- 現在どのようなことに困っているのか。
- 事業として何を優先しているのか。
こうした背景をヒアリングし、そのうえで適した施策を考えていきます。
今回は、社内事業とクライアント支援、それぞれのマーケティングの進め方についてご紹介します。
社内事業では提案から検証まで進める

気づいたことを直接提案できる
社内事業のマーケティングに関わる魅力の一つが、課題を見つけたところから、提案、実行、効果検証まで自分たちで関わることができる点です。
日々、広告やWebサイトなどの数字を確認していると、
- 「この部分を変えた方が良いのではないか」
- 「別の方法を試してみたい」
- 「ここを改善すれば、もっと成果につながるのではないか」
といった改善案が出てきます。
そのようなときには、上長や社長へ直接提案します。
そこで許可が出れば、実際の施策として動かすことができます。
もちろん、思いついたことを何でもすぐに実行するということではありません。
- 「なぜこの施策が必要なのか」
- 「現在どこに課題があると考えているのか」
- 「変更することで、どのような結果を期待しているのか」
といった根拠を整理したうえで提案することが大切です。
実行して終わりではなく、結果まで見る
マーケティングでは、施策を実行した時点では、その方法が本当に良かったのかは分かりません。
そのため、実行した後の効果検証も重要です。
例えば、
- WebサイトやLPを改善した場合、その変更によってユーザーの動きはどう変わったのか。
- 広告の内容を変更したのであれば、変更前と比べて結果にどのような違いが出たのか。
- 企画を実施したのであれば、想定していた反応につながったのか。
結果を確認し、期待した成果につながっていなければ、再び原因を考えます。
- 「この部分ではなかったのかもしれない」
- 「別の見せ方を試した方が良いのではないか」
- 「そもそもの考え方を見直す必要があるのではないか」
と次の仮説を立て、改善していきます。
企画する、実行する、結果を見る、改善する。
この流れを自分たちで進められることが、社内事業に携わるマーケティングの特徴です。
事業の変化を近くで見ることができる
社内事業では、自分たちが実施した施策の結果を継続して確認できます。
マーケティングは、一度の施策ですべてが決まる仕事ではありません。
- 広告を改善した結果を見て、次はLPを見直す。
- Webサイトへの流入が変化したら、今度はサイトを訪れた後の動きを確認する。
- SNSで発信している内容についても、反応を見ながら次の企画を考える。
施策同士はそれぞれ独立しているのではなく、つながっています。
だからこそ、目の前の施策だけではなく、事業全体を見ながら「次に何をするべきか」を考えていく必要があります。
提案から効果検証まで継続して携われるからこそ、自分たちの施策が事業にどのような変化を与えたのかを確認し、次の仕事へつなげることができます。
クライアント案件はヒアリングから始まる

まずは相手の事業を知る
クライアントのマーケティングを支援するときには、社内事業とは違う難しさがあります。
私たちはマーケティングについて考えることはできますが、その会社の事業について最も詳しいのは、当然クライアント自身です。
そのため、最初から「この施策をやりましょう」と決めるのではなく、まず事業について理解する必要があります。
- どのような商品やサービスを扱っているのか。
- どのような方が利用しているのか。
- 現在はどのような方法で集客しているのか。
- これからどのような状態を目指しているのか。
こうした内容をヒアリングしながら、マーケティングで取り組むべき課題を整理していきます。
数字だけでは分からないことがある
社内事業の場合、普段から事業に関わっているため、状況を把握しやすく、必要なデータも確認しやすい環境にあります。
一方、クライアント案件では、最初から必要なデータがすべてそろっているとは限りません。
利用できるデータが限られている場合には、数字だけを見て判断することはできません。
そこで重要になるのがヒアリングです。
例えば数字上では同じような結果に見えていても、その背景には、
- 「特定の時期に問い合わせが増えやすい」
- 「この商品を特に伸ばしていきたい」
- 「これまでとは違う層にも知ってもらいたい」
など、その事業ならではの事情があるかもしれません。
こうした背景を知らないまま数字だけで判断すると、実際の課題とは違うところを改善しようとしてしまう可能性があります。
データを確認することは大切ですが、数字だけでは見えないことをヒアリングによって補う。
その両方から状況を理解することが、クライアント支援では重要です。
課題を一緒に整理する
クライアントから相談を受けたとき、最初から課題が明確になっているとは限りません。
- 「もっと問い合わせを増やしたい」
- 「Webサイトを改善したい」
- 「広告の成果を良くしたい」
といった相談があった場合にも、その言葉だけで施策を決めるのではなく、さらに状況を確認します。
- 問い合わせを増やしたいのであれば、現在どのくらいの問い合わせがあり、どこから来ているのか。
- サイト改善であれば、現在どのような点に課題を感じているのか。
- 広告であれば、今までどのような施策を行ってきたのか。
話を聞きながら一つずつ整理することで、「本当に改善するべきところはどこなのか」を探していきます。
施策を考える前に課題を正しく理解する。
それもマーケティングの大切な仕事です。
クライアントの「伴走者」として考える

自分たちの正解を押し付けない
マーケティングでは、データやこれまでの経験から、
「この方法を試した方が良いのではないか」
という考えが出てくることがあります。
しかし、クライアント支援では、自分たちが良いと思う方法をそのまま押し付ければよいわけではありません。
会社には、それぞれ大切にしている考えがあります。
ブランドの見せ方や表現について決められたルールがある場合もあります。
また、マーケティングだけを基準にすべてを決められるわけではなく、事業全体の中で何を優先するのかも会社によって異なります。
そのため、まずクライアントが大切にしていることを理解し、その範囲の中で成果につながる方法を考えていきます。
「できること」と「適していること」は違う
Webマーケティングには、さまざまな施策があります。
広告、SEO、SNS、Webサイト改善、LP改善など、選択肢は一つではありません。
しかし、「できるからやる」ことが正解とは限りません。
- その事業にとって今必要なことは何か。
- 限られた時間や予算の中で、何を優先するべきか。
- 現在の課題に対して、本当にその施策が適しているのか。
こうしたことを考えたうえで提案します。
場合によっては、一度に多くの施策へ取り組むよりも、優先順位を決め、一つずつ進めた方が良いこともあります。
大切なのは、施策の数を増やすことではなく、成果につながる可能性のある方法を選ぶことです。
一緒に考える立場でいる
私たちが目指しているのは、一方的に施策を渡して終わる関係ではありません。
クライアントが持っている事業への知識と、私たちが持っているマーケティングの視点。
それぞれを組み合わせながら、より良い方法を一緒に考えていくことが大切です。
- クライアントから話を聞き、私たちが改善案を考える。
- 提案に対して先方から意見をもらい、必要であれば内容を調整する。
- 施策を実施したら結果を確認し、次の改善についてまた話し合う。
こうしたやり取りを繰り返しながら事業の成果を目指すという意味で、マーケティング部はクライアントの「伴走者」でありたいと考えています。
共通するのは根拠を伝えること
社内でも「なぜ?」を説明する
社内事業とクライアント支援では、仕事の進め方に違いがあります。
しかし、どちらにも共通して大切にしていることがあります。
それが、「なぜこの施策を行うのか」を説明することです。
社内事業では上長や社長へ直接提案でき、許可が出れば比較的早く施策を実行できます。
ただし、実行までが早いからといって、根拠が必要ないわけではありません。
「なんとなく良さそうだから変えたい」ではなく、
- 「この数字がこのように変化している」
- 「ユーザーがこの部分で離れている」
- 「現在の方法では、この課題が残っている」
といった根拠を整理します。
そのうえで、
「だから、この部分を変更したい」
と説明します。
何をするかだけではなく、なぜするのかを共有することで、施策の目的を関係する人たちと合わせることができます。
クライアントへの提案でも根拠を大切にする
クライアントへの提案でも同じです。
「こちらの方が良いと思います」と伝えるだけでは、なぜ変更する必要があるのか分かりません。
例えばWebサイトの改善を提案するのであれば、現在のユーザーの動きやデータなどを確認しながら、改善が必要だと考えた理由を説明します。
広告であれば、これまでの結果を確認したうえで、何を変えたいのかを伝えます。
もちろん、すべての施策で必ず予想どおりの結果が出るとは限りません。
マーケティングでは、実際に試してみなければ分からないこともあります。
だからこそ、
「この方法なら絶対に成果が出ます」
と断定するのではなく、
「現在の状況から、このような理由で改善できる可能性があるため試してみたい」
と根拠を示すことが大切です。
納得したうえで進める
施策を実行する人だけが目的を理解していても、良い仕事にはなりません。
社内であれば、提案する相手と目的を共有する。
クライアント案件であれば、先方に提案の理由を説明する。
そのうえで納得してもらい、同じ目的に向かって進めることを大切にしています。
結果が良ければ、なぜ良かったのかを確認する。
思うような結果にならなければ、何が原因だったのかを考える。
そして次の施策へつなげる。
立場は違っても、こうした考え方は社内事業でもクライアント支援でも変わりません。
二つの立場を経験するから広がる視点

社内事業では、自分たちで課題を見つけ、上長や社長へ提案し、許可が出れば実行へ移すことができます。
企画から実装、効果検証まで関わることで、一つの施策だけではなく、その先の事業の変化まで追うことができます。
一方、クライアント支援では、まず相手を知るところから始まります。
自分たちには見えていない事業の背景をヒアリングし、限られたデータから状況を整理する。
クライアントが大切にしているブランドルールや事業の優先順位を理解しながら、マーケティングの視点から改善策を考える。
同じマーケティングでも、求められる考え方やコミュニケーションには違いがあります。
そして、どちらにもそれぞれの難しさがあります。
社内事業では、自分たちで進められる範囲が広い分、「次に何をするべきか」を自分たちで考える必要があります。
クライアント案件では、自分たちだけでは分からないことがあるからこそ、相手の話を聞き、理解する力が必要です。
両方に関わることで、マーケティングの方法だけではなく、事業そのものを見る視点も広がっていきます。
- 広告を出すこと。
- SNSを運用すること。
- Webサイトを改善すること。
どれも大切な手段ですが、その前には必ず「何のために行うのか」があります。
その目的を理解し、相手と共有し、成果につながる方法を考える。
それが、社内事業にもクライアント支援にも共通するマーケティング部の役割です。
立場や進め方は違っても、相手の事業を理解し、成果につながる方法を一緒に考えることは共通しています。
今回は、社内事業とクライアント支援という立場による違いをご紹介しました。では、扱う商品やサービスが変わると、マーケティングの考え方にはどのような違いが生まれるのでしょうか。
次回は、『害獣プロスピード』と『BANK OF MEMORIES』を比較し、お客様が求めるものや購入・問い合わせに至るまでの気持ちの違いから、事業に合ったマーケティングの考え方をご紹介します。

