こんにちは、ACMEE情報システム部です。
このたび、情シスの技術ブログを始めることになりました。 第一回はご挨拶を兼ねて、私たち情シスが何者で、いま何をしているのかをお伝えします。
「情シスがブログ?」と思った方へ
正直に言うと、私たち自身も書き始めるまで「情シスって技術ブログを書くような部署だっけ?」という気持ちが少しありました。
世間一般の情シスのイメージは、こんな感じだと思います。
- PCのキッティングをする人たち
- Wi-Fiが繋がらない時に呼ばれる人たち
- アカウント発行や権限管理をやってくれる人たち
- セキュリティのうるさい人たち
どれも情シスの大事な仕事です。でも私たちACMEE情シスが日々やっていることは、それだけではありません。
現場の業務を、自分たちで作ったツールで動かしています。
そして2026年現在、その「作る」のスピードが、AIコーディングの登場でこれまでとはまったく違うフェーズに入りました。 この変化を社内に閉じておくのはもったいない、と思ったのがブログを始める最大の理由です。
私たちは何者か

ACMEE情シスは 5名のチーム です。グループ各社のIT全般を見ています。
特徴を3つ挙げるとこうなります。
1. 固定の役割分担はない
「インフラ担当」「ヘルプデスク担当」「開発担当」のような固定アサインを置いていません。 プロジェクト単位で、その都度メンバーをアサインします。
「今月は求人管理ツールの改修」「来月は新しい申請フォーム」「並行してヘルプデスクの裏側改善」…と、案件ベースで動きます。
2. 1人の管理者が全体を見ている
プロジェクトごとに担当は分かれますが、設計レビューと最終確認は1人の管理者が必ず通します。 チームの設計思想・コーディング規約・セキュリティポリシーを揃えるのが目的で、これが品質の最後の砦になっています。
3. 5名全員がAIコーディングを使っている
これがいちばん大きな変化です。 私たちは 5人全員が、日々の実装でClaude Code等のAIコーディングツールを使っています。

エンジニア出身メンバーだけではありません。元バックオフィスから情シスに来たメンバーも、AIと壁打ちしながらPHP・Laravel・GASのコードを書いてプロダクションに乗せています。
「AIで開発が民主化された」とよく言われますが、私たちのチームでは それが現実の運営スタイルになっている ということです。

「買う」より「作る」を選ぶ理由
社内ツールには、SaaSを買うという選択肢が常にあります。 それでも私たちが内製を多く選ぶのは、こういう理由です。
- 業務にツールを合わせる方が、最終的に現場が楽になる (SaaSに業務を合わせると、運用の歪みがどこかに出る)
- AIコーディング前提なら、内製のコストが昔の1/5〜1/10になっている
- データが社内DBに残るので、次の改修・他ツールとの連携が圧倒的に速い
- 「ちょっとここ変えたい」が、申請書類なしで翌日にデプロイできる
もちろん、買った方が良いものは買います。ただ「業務にフィットさせる最後の1割」のために、内製の選択肢を常にテーブルに置いている、という温度感です。
これまでに作ってきたもの

社内で稼働している内製ツール群の一部。詳細は第二弾以降で1本ずつ深掘りしていきます。
文字だけだとイメージが湧かないと思うので、いま社内で動いているツールを並べます。
| ツール | 概要 | 主な技術 |
|---|---|---|
| ITヘルプデスク | 社員からの問い合わせをAIが一次受付。スクショを送ると画像認識で内容を分類し、過去事例から回答候補を出す | Laravel 11 / GPT-4o Vision / Structured Outputs |
| KPI管理台帳 | 全部署のKPIを一元管理。スプレッドシート同期+振り返りコメントで「数字と文脈」をセットで残す | Laravel 11 / SQLite |
| PL管理システム | グループ5社連結の部門別PL。配賦ルール500件超を機械的に適用 | PHP / SQLite |
| 求人管理ツール (staff-tool) | 4つの求人サイトを横断管理。原稿・公開状態・応募導線を統合 | PHP / 共通基盤 |
| 給与レンジ調査ツール (salaryScope) | e-Stat(政府統計)と求人URLから、職種・エリア・規模別の給与レンジを即座に提示 | PHP / e-Stat API |
| マーケ支援SaaS (ROASCOPE) | 広告データ統合とアトリビューションでクライアントの実ROASを算出するB2B SaaS | Next.js / VPS |
| シフト管理 (shift2) | カウンセラーのシフト希望→確定→変更申請を一気通貫 | PHP / SQLite |
| 営業ランキング | 営業成績ランキングと個人マイページの行動分析 | PHP / Chart.js / Python |
| 入金突合システム | 営業管理台帳の入金予定と実入金の差異を、営業マン別に自動洗い出し | GAS / Sheets |
| チャット要約Bot | Google Chatの議論をGeminiで要約し、Sheetsのタイムラインに記録 | GAS / Gemini |
| 制作部ブログ投稿フォーム | 写真複数枚+メモから、GPT-4oで長文ブログを自動生成 | PHP / GPT-4o |
| クリエイティブ制作AI基盤 | ローカルAIバナー生成。OpenAI/Gemini並走で複数案を瞬時に比較 | Vite / Fastify / SQLite |
これらのほとんどが、この1〜2年で内製で立ち上がったもの です。 AIコーディングが普及する前の情シスでは、おそらく実現できなかったボリュームだと思います。
これからこのブログで書いていくこと
第一弾は概観だけにしましたが、第二弾以降は 個別ツールの裏側 を1本ずつ書いていく予定です。具体的にはこんな記事を準備中です。
- 「GPT-4o Visionで情シスの一次受付AIを作った話」 スクショを送るだけで分類・回答する仕組み。Structured Outputsの設計、コスト管理、画像コンテキストの取り扱い。
- 「Xserverの古いSQLite/curlでLaravel 11を動かす地雷集」 共有レンタルサーバーでLaravel運用するときの実用Tips。PHP CLI/Web版違いも含めて。
- 「5社連結部門別PLを内製で作った話」 配賦ルール500件をどう設計したか。Excel運用からの移行戦略。
- 「Claude Codeを5人で本気運用するチームの工夫」 メモリ・hook・skill、レビュー文化、コミット粒度、失敗事例。
- 「e-Stat APIで給与レンジを動的に出すツールを作った話」 政府統計APIの使いどころと落とし穴。
うまくいった話だけではなく、うまくいかなかった話・本番で壊した話 も書いていきます。 情シスの仕事は地味な作業の積み重ねですが、そこにこそ知見が溜まっています。
おわりに
「情シス=守り」「情シス=コストセンター」というイメージは、もう少し更新されてもいいと思っています。
道具が変わったので、情シスが事業の前線で価値を作れる時代 に確実に入りました。 私たち5人がやっていることは、その小さな一例にすぎません。
似たような立場の情シスの方、社内ツールの内製を考えている方、AI時代のチーム運営に悩んでいる方の何かしらの参考になれば嬉しいです。
これからどうぞよろしくお願いします。


