月70時間の仕訳業務を変えるきっかけ
こんにちは。管理部の経理担当です。
前回は、ACMEEの経理で月3,600件を超える仕訳があり、その仕訳に関係する作業だけで月70時間ほどかかっていたことをご紹介しました。
毎月繰り返す仕事だからこそ、「これからも同じやり方を続けるのではなく、正確さを守りながら負担を減らせないだろうか」と考えるようになりました。
そんな中、転機が訪れたのが2026年3月です。
会計ソフトとAIをつなぐ公式の仕組みが登場したのです。
それを知ったとき、最初に考えたのは、
「これをACMEEの仕訳業務に使えないだろうか」
ということでした。
そして、その日のうちに、自社でどのように活用できるかを考え、提案資料を作成しました。
新しい技術を使ってみたいからではありません。
すでに目の前にあった「仕訳業務に多くの時間がかかっている」という課題を変えられる可能性を感じたからです。
今回は、新しい仕組みを知ったところから、実際に社内で提案し、4月に承認を得るまでの経緯をご紹介します。
きっかけは2026年3月

会計ソフトとAIをつなぐ公式の仕組みが登場し、これまで人の手で行っていた仕訳の一部をAIに任せられる可能性が出てきたのです。
新しい仕組みを知ったとき、最初に考えたのは、
「AIってすごい」
ということではありませんでした。
「これ、今の仕訳業務に使えないかな?」
ということでした。
月70時間ほどかかっている仕事がある。
その中には、毎月似た内容で発生するものもある。
もし、その一部だけでも仕組みに任せることができれば、今までとは違う仕事の進め方ができるかもしれません。
新しい技術そのものに興味を持ったというより、目の前にある課題と新しい技術がつながった瞬間でした。
知ったその日に提案資料を作った

そこで、新しい仕組みを知ったその日のうちに、自社でどのように活用できるかを考え、提案資料を作成しました。
もう少し調べてからでもいい。
誰かが提案するのを待ってもいい。
そう考えることもできたと思います。
それでもすぐに資料を作ったのは、解決したい課題がすでにはっきりしていたからです。
毎月70時間ほどかかっている仕訳業務を、今のまま続けるのではなく、変えられる可能性がある。
そう思ったら、まず「ACMEEで使うとしたらどうなるか」を考えてみようと思いました。
ここで大切だったのは、「AIを導入したい」という提案にしないことです。
新しい技術を使うことが目的になってしまえば、本当に必要なものなのか分からなくなります。
先にあるのは、仕訳業務に多くの時間がかかっているという課題です。
その解決方法の一つとしてAIを使えないか。
その順番で考えました。
経理だけでは進められない

提案資料を作ったからといって、すぐに使い始めたわけではありません。
経理が扱っているのは会社の大切な会計データです。
「便利そうだから使ってみよう」だけでは進められません。
そこで、作成した資料を手直ししながら情報システム部へ相談しました。
安全性は問題ないのか。
どのように進めるのか。
必要な確認を行い、4月に承認を得ることができました。
自分の仕事を改善するアイデアを思いついても、自分だけで完結できるとは限りません。
必要な部署へ相談し、会社として使える方法にしていく。
実際に仕事を変えるためには、アイデアを思いついた後の行動も必要でした。
減らしたかったのは「人がやらなくてもいい作業」

AI自動仕訳を考えた目的は、経理の仕事そのものをAIに任せることではありません。
経理には、人が判断しなければならない仕事があります。
- 数字に違和感があれば原因を確認する。
- 今までにない取引なら処理方法を考える。
- 集計した数字を、経営判断に使える情報へ整理する。
こうした仕事まで、すべて同じように機械へ任せたいわけではありません。
一方で、毎月ほぼ同じ条件で発生し、同じルールで処理できるものもあります。
そうした作業に毎月多くの時間を使っているのであれば、仕組みに任せられる部分がないかを考える余地があります。
定型的な作業に使っていた時間を減らし、人が判断する必要のある仕事に時間を使う。
それが目指した状態でした。
「経理の仕事だから変えられない」と決めない

今回の取り組みは、「AIで何か新しいことをしよう」というところから始まったわけではありません。
最初にあったのは、
「この作業、本当にこのままでいいのかな」
という日々の仕事への疑問でした。
そこへ、会計ソフトとAIをつなぐ新しい仕組みが現れた。
だから、自分たちの仕事に使えないかと考えました。
新しい技術を知ったとき、「難しそう」「経理には関係なさそう」と考えてしまえば、そこで終わります。
反対に、「新しいから、とにかく使おう」と考えるのも違います。
今の仕事にどんな課題があるのか。
その課題に、新しい方法が役立つのか。
まずはそこを見る。
そして使えそうなら、提案してみる。
ACMEEのAI自動仕訳は、そんな小さな発想から始まりました。
ただ、この時点ではまだ「使えるかもしれない」という段階です。
実際に検証してみると、AIが判断した仕訳と正しい仕訳の一致率は、最初は約20%でした。
「提案が通った=成功」ではなかったのです。
次回は、この20%という数字から始まった、AI自動仕訳の試行錯誤についてご紹介します。


